坂東流の活動

2026年5月17日(日)「芸の伝承 第12回ビデオ上映会」が開催されました

芸の伝承第12回『忠綱』『夕顔棚』のご報告

令和8年5月17日(日)浅草公会堂第一集会室で第12回芸の伝承ビデオ上映会が開催されました。この日の浅草は三社祭。5月とはいえ前日から10°C高く30°Cの暑さの中、お祭りの人込みをかき分けて49名の方がご参加くださいました。今回は『常磐津 忠綱』『清元 夕顔棚』どちらも最近は上演がほぼない坂東流に残る貴重な演目です。

『忠綱』は 1856 年安政3年9月に中村座で当時中村福助が初演した変化舞踊のひとつ。ベースとなっているのは「丹前の景清」と呼ばれる演目でこの曲の別名は「奴つき景清」。吉原大通りの前で寿子先生の忠綱と寿之輔(現三津輔)先生の奴が華麗な六方振りを披露し、恋の手管を語ります。とここで足利忠綱が 17歳の時の初陣で手柄を立てた宇治川の戦いの戦語りがあり、最後は奴が絡み、立ち回りとなって幕を閉じます。

2曲目は勝友先生、三津二郎先生の『清元 夕顔棚』。初演は昭和26年3月歌舞伎座と新しい演目ですが、主題は江戸時代歌人 木下長繍子の和歌「夕顔のさける軒ばの下涼み男はててれ女(め)はふたのもの」であるそうです。ててれもふたのものも下着。気取らない庶民の暮らしを描いた名作で長年連れ添った夫婦の情愛が勝友・三津二郎両先生の名人芸で描かれ、拝見している皆様の顔にも笑みがこぼれました。当日、勝友先生から2021年6月の歌舞伎座興行のために菊五郎さん、左団次さん(村の若者はお家元と米吉さん)にご指導にいらしたこと、坂東流の大切な演目であるので是非また舞台にかけてくださいとのお気持ちのこもった音声コメントをいただきました。

上映終了後にこの舞台にご出演された三信之輔先生から「村の若者の踊りはとにかく早間で『ジルバで踊って』」とご指導いただいたお話も伺いました。夕顔棚のお振付けは三津之丞先生。その早間とジルバ風がゆったりとした老夫婦との対比を際立たせています。また「(舞台前のお打ち合わせのご様子では)両先生はどこから台詞でどこからアドリブかがわからなかった」とのことですが、台詞はもちろんのこと芝居から踊りまでの流れも里神楽の音につられて体が動いて踊り出してしまった自然さで大変お勉強になりました。

今回の上映会にご参加の皆様より頂戴しました貴重なご感想をご紹介させていただきます。ご一読下さいませ(PDF)

次回の第13回ビデオ上映会は令和8年秋に『土佐絵』『紅葉狩』で開催する予定をしております。場所は決まり次第ホームページにてお知らせをいたします。一門でお稽古をしていらっしゃるお弟子さんは名取でなくとも参加可能、お洋服でお気軽にいらっしゃれる会ですので是非ご参加下さい。お待ちしております。

(企画部)