坂東流の活動

2025年7月12日(土)「芸の伝承 第10回ビデオ上映会」が開催されました

令和7年7月12日(土)浅草公会堂第一集会室で約70名のご参加をいただき、第10回芸の伝承ビデオ上映会が開催されました。今回は今年27回忌となる九代目家元のビデオ『長唄 静と知盛』、『清元 山帰り』、『清元 座頭』の三題です。

『静と知盛』は昭和56年伊勢市観光文化会館で開催された柳蛙会での素踊りのもの。古いビデオだけに画像も音もクリアとはいきませんがそれでも十分に舞台の迫力が伝わり、三津之丞先生のドラマチックなお振付けが九代目の静と動の踊りで際立ちます。『山帰り』は上演年が不明の物でしたが場所は国立劇場大劇場。神奈川の風景に溶け込む粋な仕事師の姿が目に浮かびました。15 分の休憩をはさんで平成11年日本舞踊協会公演での『座頭』。始まる前に座頭で犬を演じられた利太郎先生から当時の家元とのお稽古のお話、本番でのエピソードを伺いました。

ビデオ上映後、相談役の先生方に九代目の思い出を伺いました。『座頭』は亡くなる年のお舞台で九代目は立っているのもやっとの病状。上演後は抱えられる様に楽屋に戻られたそうです。また、九代目の踊りはこれぞ役者の踊りで、お酒が入り夜中になったころ大事なお話が伺えたと勝友先生。『山帰り』で「大和人形を大和屋が」で自分を指す振りをしていいのは家元だけ、という貴重なお話も伺いました。三津映先生は九代目と 4 回お舞台をご一緒されたそうです。九代目のお流儀の後進を育てる会「涛の会」「登舞の会」。今ではご指導をいただいた先生方は数少なくなりました。お話を伺えたのはありがたいことです。また九代目はお子さんがお好きだったそうで当時お小さかった朋奈さんから思い出を伺い、一同ご様子に笑みがこぼれました。

会場でのアンケートの一部をご紹介します。「初めて上映会に参加させていただきました。あっという間の時間で呼吸をするのを忘れて見入ってしまいました。緩急のある踊りにお芝居、柔らかい表情、豊かな動きに“芸に生きる覚悟”“生き様”が垣間見えました。どんな動き・目線・表情でその情景が見えるのか、そのヒントを教えていただいた時間でもありました」。

ご参加の皆様より頂戴しました貴重なご感想をまとめてご紹介させていただきます。PDFファイルのリンクよりご一読くださいませ 

「第10回ビデオ上映会(ご感想)」(PDF)

まだ上映会にご参加いただいていない会員の方、お名取さん以外でも一門でお稽古されている方、お洋服でいらしていただける会ですので是非お気軽にご参加ください。

次回の第11回ビデオ上映会は令和7年12月上旬に『関の扉』『大黒舞』を上映する予定をしております。場所、お日にちは決まり次第、ホームページ、SNS等でお知らせいたします。参加ご希望の方は坂東会事務所までご連絡をお願いいたします。皆様のご参加をお待ちしております。

(企画部)